種をまき,水を与える

学校だより 4月号より

81名の1年生を迎え入れ、全校児童443名で令和6年度の第一歩を踏み出しました。新しい学年のスタートに期待と希望を抱き、登校してくる一人一人の姿からは、成長の階段を一つ上った喜びやうれしさが感じられました。また、13名の教職員も新たに五泉小学校の一員に加わり、教職員総勢51名で令和6年度の教育活動を進めていきます。今年度も、保護者・地域の皆様の変わらぬご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

我らは萌えずる 園生(そのう)の二葉 教えの光に いざ伸び行かん

これは、五泉小学校の校歌の歌詞の一節です。子どもの成長への願いを、大地から芽を出し、二葉となり、空へと茎を伸ばし、葉を茂らせていく植物になぞらえています。伸び行く植物はやがて花を咲かせます。教育もまた同じです。学校という大地から子どもが芽を出すには、種をまかなければなりません。それは、確かな学力の種だったり、豊かな心の種だったり、健やかな体の種だったりと様々です。しかし、種をまいただけでは芽は出ません。水を与えなければなりません。それが周りの大人のかかわりです。水の役目をする周りの大人は、教師だったり、家族だったり、地域の人だったりと様々です。また、水を与えたからといって芽が出るとは限りません。芽が出たからといって、二葉となり、茎を伸ばし、葉を茂らせ、花を咲かせるとは限りません。与える水が乏しければ芽は出ません。芽が出たとしてもしなびて枯れていきます。それを無関心・放任と呼びます。与える水が多すぎれば、種が腐って芽は出ません。芽が出たとしても根が腐ってしまい枯れていきます。それを過保護・過干渉と呼びます。大人は、乏しすぎず、多すぎず、適度な水を子どもに与え続けなければなりません。

学校は、子どもの健全な成長を促すよう、種をまき、水を与え、覚悟と責任をもって教育活動に当たっています。しかし、学校という大地で子どもが過ごす時間は、1日のうちで半分にも及びません。家庭で過ごす時間が大半です。ですから、家庭という大地では、親が覚悟と責任をもって、子どもの健全な成長を促すよう、種をまき、水を与え続けなければなりません。例えば、朝食です。朝食を摂らなかったり、不十分な朝食だったりすると、脳に十分な栄養やエネルギーが行かず、朝から不安定だったり、学習に集中できなかったりします。例えば、インターネットを含めたメディアの使用です。学校では、2時間以上の使用や就寝前1時間以内の使用を控えるよう呼び掛けています。しかし、長時間の使用が日常となっている子どもがいます。長時間の使用が家庭学習や睡眠に支障となり、メディアから離れられないなど、生活全般に影響が生じていることがあります。例えば、親と子どもとのコミュニケーションです。親と子どものコミュニケーションが不足すると、子どもは親からの愛情を感じられない状態になり、心が不安定になります。学校と家庭とが連携して種をまき、水を与えることで、子どもが芽を出し、茎を伸ばし、花を咲かせることができるようにしていきたいものです。

五泉小学校では、今年度も、全ての教育活動を通して「共創力」の育成に取り組んでいきます。「共創力」とは、「自他の違いを受け止めつつ、対話を通して、共に課題を解決し、新たな考えを創り出す力」のことです。子どもにとって価値ある対話やかかわりを生み出し、他者の違いを知り、自らの学びに生かしていけるよう、また、学びの基盤にある自己肯定感やよりよい人間関係を育んでいけるよう、「共創力」の種をまき、水を与え続けていきます。

2024年04月25日